BRAND VIEW | 新時代のホームエンタテインメント戦争(1)

Written by YUKI

/ CFO

 

August 23, 2020

 

 

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こんな暑い日は家に篭って、ゲームをしたり映画を観たりするのが一番です。

このシリーズでは、そんな家庭における娯楽=ホームエンターテインメントについて少しお話ししたいと思います。


8月も中旬を過ぎ、各企業の第一四半期決算が出揃いました。全体としては、やはり新型コロナウィルスの影響による厳しい決算が並びました。ダメージが大きかった大企業を中心に今年後半以降の経済持ち直しを織り込んだ見通しも数多く発表されましたが、それを無邪気に信じられる状況でないのは間違いなさそうです。


そんな中、先日発表されたとある企業の決算があまりに圧倒的で、大きなニュースになりました。そう、任天堂です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200807/k10012555781000.html

『あつまれ どうぶつの森』をはじめとしたゲーム群は、家篭もりに疲れた幅広い年齢層の需要を完璧に捉え、売上高は前年同期の2倍、最終利益に至っては6.4倍もの成績を上げました。

 

これは果たして一時的なものでしょうか?

いい作品が出たタイミングとコロナ流行のタイミングがたまたま重なっただけ、と片付けてしまって良いものでしょうか。

 

私はそうは思いません。

これは、100年以上も前から連綿と続いてきた「ホームエンタテインメント」の歴史の中の、一通過点に過ぎないと考えています。


メディアとしてのホームエンタテインメント、つまり、どこかにいる「発信者」が各家庭にいる「受信者たち」を楽しませる、という形が最初に成立した媒体はラジオでした。

そのパイオニアとして知られるのが、デイヴィッド・サーノフという1900年頃ロシアからアメリカに渡った1人の移民です。彼は元々テレグラフ(電信機)の販売業務を行う会社員だったのですが、勤務中に偶然タイタニック号からの最後の電信を受信するという稀有な経験を通じて、 “テレコミュニケーション” の無限の可能性に気づいたと言われています。

彼が後に社長を務めたRCA (Radio Corporation of America) は、1925年に初めての全米ラジオネットワークであるNBCを立ち上げました。その後NBCは紆余曲折を経て超巨大メディア・コングロマリットとして成長を遂げ、今のNBCUniversal、つまりあのユニバーサル・スタジオの親会社へと変貌を遂げています。ちなみに、NBCから分社化したABCというラジオネットワークは、現在ディズニーグループが保有する全米テレビネットワークであり、最初のディズニー・ランド建設の際に大規模出資を行った企業でもある、あのABCです。

つまり、今のディズニーやユニバーサルのような世界的エンタメ企業は、元を正せば100年も前から既にあったホームエンタテインメントの大きな流れの中で誕生したと考えることができます。


他にもワーナーやソニーなど例を挙げればキリがないのですが、これまで世界的に成長を続けてきたエンタメ企業は、全て例外なくホームエンタテインメントの可能性にいち早く気づき、投資を続けてきた企業ばかりです。彼らは外見上は音楽会社であったり映画会社であったりゲーム会社だったりするのですが、一皮剥けば「各家庭に効率よくコンテンツを届けること」に経営資源を投入し、成功してきたというところにその本質があります。そして任天堂は、まさしくゲーム産業におけるホームエンタテインメントの代表的な成功例です。


確かに、新型コロナウイルスの流行は誰も予見できなかったことです。
しかしながら、インターネットの高速化と低価格のクラウドサービスの普及によって各企業の在宅勤務が進むこと、あるいは、将来的にAIの普及と共に人々の労働時間が短縮され、余暇の時間が増えることなどは、十分に予測されてきました。
厳しい見方をすれば、今起きていることはその来るべき未来に備えてきた企業と、そうでなかった企業が、思ったよりも早い段階で選別にかけられていると考えるべきだと思います。

 

次回は、その来るべき時代のエンターテインメントのあり方について、そして、各企業が描くホームエンタテインメントの未来について、もう少し詳しくお話ししてみたいと思います。

 

お楽しみに!

 

 

 

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