BRAND DESIGN | これまで住んできた家たち
Written by TAN
/ Architect, Creative Director, CEO
December 14, 2020
建築家の山之内淡です。
今回は、これまで自分が住んできた家々をご紹介しつつ、Mr. & Ms. Cat による “THE HOUSE” のお話もさせていただけたらと思っています。
自分と同い年の、札幌の自家
自分は札幌の出身なのですが、父が建築家で、自分が生まれるのと同時に、父の処女作にあたる実家が竣工しました。
ですので、自分と実家は、同い年なのです。笑
* 札幌の実家の竣工当時(1986年)の写真です
* 写真家の方の写真が素晴らしいため、豪邸に見えてしまいそうですが…祖母2人も含めた3世帯住宅なので、そこまで規模が大きいわけではありません
以来、大学進学のために東京で一人暮らしをはじめるまで、父が設計したこの実家で過ごしました。
自分の人生において、最も影響が大きかったのが、やはりこの実家での生活体験です。
“建築家設計”物件と通常の“デザイナーズ”物件には、天と地ほどの差があるものなのですが、「あー…建築家の設計する建物は全然違うんだな」ということを、言葉よりも先に肌で学べたのは、とてもとても大きな経験でした。
もうひとつ、この実家には、父の建築事務所も併設されており、小学高学年以降の自分にとって、身近にある建築事務所の存在もとっても大きいものでした。
休日の朝、誰もいない建築事務所にフラッと入っていき、建築雑誌を眺め、建築模型を触ったり、父のスケッチ道具を拝借して絵を描いたりしていました。
どこか大人の世界を覗き見るような感覚で、ワクワクした良い思い出です。
また、建築家の業界はとても狭いので、名前が知れ渡っている巨匠建築家の先生方にも、幼少期にたくさんお会いしました。
自分は、偉い方や有名な方にお会いしても全く緊張しない性格なので、今の年齢になると助かっているのですが…そんな幼少期の経験が理由かもなあ…などとふと考えたりします。
自分の場合は、少し例として極端ではありますが、自邸での生活体験・空間体験は、特に子どもにとって、本当に大きなものだなあ…と思います。
途中のプロセスもすべてクリアーに見せる Mr. & Ms. Cat の THE HOUSE
さて。
来年はいよいよ、愛猫との暮らしに特化した住宅である THE HOUSE を建設します。
THE HOUSE は、Mr. & Ms. Cat が提供する愛猫と愛猫家のための、これまでにない新たな「住」のかたちです。
戸建の注文住宅タイプと、不動産オーナ―様向けの集合住宅タイプの2タイプを計画しています。
もちろん、自分が建築家として、全身全霊を込めて徹底的にデザインしています。
過去記事に THE HOUSE についての背景や設計思想などをまとめてありますので、まだの方はぜひご覧ください。
BRAND DESIGN | THE HOUSE ー 建築家が描く、猫との “住” の未来(前篇)
戸建の注文住宅タイプでは、実際にご覧いただけるよう、モデルハウスの建設も行います。
「家って、どういう手順で建てるものなのだろう?」という疑問を持つ方も多いかと思いますので、
敷地を探すところから始まり、資金回りについてや、設計のプロセスや行政への申請についてなど、家を建てるまでのすべてのプロセスを公開し、
Mr. & Ms. Cat のオンラインコンテンツとして、みなさんにご覧いただこうと考えています。
そして、THE HOUSE は、当然家ですので、少なくとも1年程度は時間が掛かりますから、「モデルハウスの完成を待たずに、今すぐ愛猫と暮らす家が欲しい!」という方のために、先行してのご相談も受け付けています。
とはいえ、モデルハウスができてから、実際には相談や依頼をされるだろうなあ…と予想していたのですが、何とすでに注文住宅をご相談いただく方が登場しています…。
本当に、インターネットによって世界は変わったなあと実感する次第です。
二匹の愛猫と暮らす階段のある家
2戸目にご紹介するのは、妻と結婚をして、二匹の愛猫(AaltoとMies)を家族に迎えた後、2年間ほど暮らした家です。
武蔵小山に建つ集合住宅で、2層のメゾネットタイプの住宅でした。
もちろん、建築家設計物件です。
この家で暮らした経験から学んだことは、猫はとにかく階段が大好きだということです。笑
うちの猫たちは、二匹とも、とにかく階段が大好きで、特に階段の踏面の間から向こう側を覗き込むのが大好きなことがわかりました。
私たちをジーッと見下ろしながら眠っていたり、階段の間から手を伸ばしてみたり…今でも思い出せる愛らしいシーンがたくさんあります。
階段の他にも、壁面が塗装だったのですが、クロスに比べて猫との相性がとても良いことを発見したり、
壁の微妙な角度によって猫が身体をあずけられてうれしそうにしていたり、建築家が素材感や光の美しさのためにこだわってデザインしたディテールが、
実は猫と親和する場合があることなども、いろいろな側面から発見をしました。
現在、私たちが暮らす3階建の家
こちらが現在暮らしている家です。
メゾネットの3階建になっており、階段も以前の家よりも増えています。笑
* Roomie
* https://www.roomie.jp/2020/10/657250/
もし先にご紹介した2層メゾネットの家で暮らした経験がなかったら、現在二匹の愛猫と夫婦で住んでいるこの家を選んではいなかった、といっても過言ではありません。
そして今度は、それらの家々での暮らしの経験から、THE HOUSE を創ります。
* Mr. & Ms. Cat “THE HOUSE” / CAT LANDSCAPE HOUSE
自分自身の体験として、深く感じるのは…
家での暮らしから得られる経験というものは、幼少期に特に影響が強いとはいえど、大人になってからもその経験は積み上がっていき、自身の血肉となっていく、ということです。
家で暮らす時間が素晴らしいものになっていくのと一緒に、
自分自身の価値観も、より良い方向にアップデートされていったように思います。
家は、人生の大半の時間を過ごす場所です。
例えば、「ベッドの上は、人生の3分の1を過ごす場所なので、寝具には徹底的にこだわるべき」という意見をよく聞きます。
家はそれ以上に、人生のほとんどを過ごす場所といえますよね。
Work from Home(オンラインを前提とした在宅勤務のビジネススタイル)も浸透してきている現在、家における生活体験の多様性の確保と充実は、若い建築家の使命のひとつになるだろうなあ…と考えています。
愛猫と暮らす家。愛猫と一緒に働く家。これまでにない愛猫と愛猫家に捧げる家。
ぜひ一緒に創りたい!と思ってくださる方は、ぜひお問合せフォームよりご連絡ください。
建物までは持てないけど興味がある…という方も大歓迎ですので、この THE LETTER や THE SHOP でのお買い物など、ぜひぜひお楽しみいただければ光栄です。
今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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