BRAND VIEW | Women Save the World

Written by YUKI

/ CFO

 

September 26, 2020

 

 

皆さん、こんにちは。

少し肌寒さも覚える気温になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

今年は誰もがマスクを着用しているためインフルエンザの流行が例年に比べて下火になりそうだという面白い予測なども目にしましたが、くれぐれも油断されぬよう、気を付けてお過ごしくださいね。

 

さて、つい先日娘を英会話教室に連れて行った時のことです。

教室の先生が娘を目にするなり “Yes, we do!” とにこやかに挨拶しました。

一体何のことかと思って娘に目をやると、そのTシャツには大きく”Girls Save the World”というコピーと共に、ワンダーウーマンやスーパーガール、キャットウーマンなどの女性スーパーヒーローのイラストがプリントされていました。

昨年私がロサンゼルスのお土産として購入したものでしたが、改めて考えてみるとこのようなスローガン的なコピーが子供向けグッズにプリントされているのは、あまり日本では見たことがないように思います。

 

またつい先日も、発足した菅内閣の集合写真が高齢の男性ばかりなことがネットで揶揄されたり、日本の上場企業における女性の役員比率が極めて低いことが報道されたりと、至る所で日本の女性の社会進出が遅れていることが指摘されています。

 

一体何がこんなにも女性の活躍を妨げているのでしょうか?

 

突然ですが、皆さんはこちらのスピーチをお聞きになったことがあるでしょうか。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

社会学者として著名な上野千鶴子さんが昨年東京大学の入学式で読み上げ、世間の賛否両論を巻き起こした祝辞です。もし一度も読んだことがない方は、ぜひ一度読んでいただければと思います。

 

この内容を入学式で読み上げたことに対する世間の賛否は出尽くしていますのでここで敢えて触れることはしませんが、ここに上の疑問の回答になりそうな面白い指摘が2つあります。

 

1つは「学部においておよそ20%の女子学生比率は…」というくだり。日本の最高学府である東京大学の学部における女性比率がたったの2割に留まるという指摘です。いくつか資料を当たってみましたが、実はおよそ20%といっても、実は今まで東大の学部に所属する女子学生の割合は一度も2割を超えたことがないそうです(2019年は19.3%)。

 

そしてもう1つは「4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。『息子は大学まで、娘は短大まで』でよいと考える親の性差別の結果です」というくだり。

これについても、確かに私の調べた限りどの調査でも男性の方が女性よりも学力的に優れているという結果は出ておらず(高校時点でも、です)、また、高校の進学率には全く差がないことから、上野氏の仮説は非常に説得力のあるもののように見えます。

 

つまり、高校生までの間は特に無かったはずの男女差が「大学進学」というステージで突然大きな違いになって表れてしまっている、ということです。

その主たる要因が本当に「親の偏見」かどうかは分かりませんが、残念ながら極めて学歴社会であるこの世の中で、大学に進学したかどうか、とりわけ一流大学に進学したかどうか、というのはキャリア的に極めて重要なファクターです。ここに大きな差があるということが、社会における女性の活躍を阻む大きな一因になっているのは間違いなさそうです。

 

もう1つ面白いデータを見つけたので紹介します。

https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2021/world-ranking#!/page/0/length/-1/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats

これはつい先日Times Higher Educationが発表した最新の世界の大学ランキングです。

日本からは36位に東京大学、54位に京都大学がランクインしているほか、300位より下には東京工業大学や大阪大学、東北大学などなど、沢山の日本の一流大学の名前を見つけることができます。

 

順位ばかりが取りざたされるこの手のランキングですが、それより面白いのは、一番右の列に各大学の「男女比率」が数字で示されている(正確にはWomen : Menの順で示されている)ことです。

ここに注意して画面をスクロールしてみると、上位にランクインしている殆ど全ての欧米やアジアの大学の男女比はおよそ50:50なのに対し、日本の大学だけが20:80、25:75など、明らかに男性に偏っているのです。

 

即ち、先ほど上で紹介した男女比率の偏りというのは東京大学に固有のものでは決してなく、「世界の大学ランキング」にランクインするような全ての日本の「一流大学」において同じ傾向が見られるということです。

 

これでは日本の女性が社会的に重要なポジションに就けないのも頷けます。

もちろん他にも多くの要因があるのですが、まず社会に出る前のステージでここまでの差がついてしまっては、その後の個人の活躍や企業の努力だけでこれを覆すことは極めて困難です。

 

一流企業や中枢の官庁は一流大学からしか殆ど人を採用しませんし、その後社会的に重要なポジションに就く人々の多くはその中から出てくるものだからです。

 

ここで私から、THE LETTERを読んでくださっている皆さんにお願いがあります。

もし、皆さんの娘さんが少しでも大学進学に興味がある素振りがあれば、できる限りその気持ちに耳を傾けてあげてください。

そして、本当は大学に行きたいけれど、周りから「女の子は大学なんていかなくても良い」と反対を受けている皆さん、どうか諦めず周囲に自分の気持ちを伝え続けてください。

 

これから皆さんが、そして皆さんの娘さんがこの社会で何かを成そうとするとき、学問や学歴は必ず助けになります。

 

そして、忘れないでください。「女性に学問は必要ない」などという風潮が未だに幅を利かせている先進国は、世界中見渡しても日本だけなのです。

 

最後に、私たち Mr. & Ms. Cat の共同CEOを務める山之内は女性です。

他にも、私たちのブランドを形づくるたくさんの重要な仕事を、女性の仲間たちが担っています。

私たちはこれからも性別を問わず、猫を愛する世界中の方々と一緒にお仕事がしたいと、心から願っています。

 

男性も女性も、そのどちらでもない全ての人も、等しく活躍できる世界が来ることを信じて。

今日も一歩ずつ前進していきましょう。

 

 

 

 

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