BRAND DESIGN | 建築家 Steven Holl(スティーブン・ホール)
Written by TAN
/ Architect, Creative Director, CEO
January 13, 2021
建築家の山之内淡です。
1月も半ばですね。みなさんのお仕事やご家庭でも、そろそろお正月モードが明けてきた頃でしょうか。
起業するとON/OFFがなくなり、私生活と仕事が常にくっついている感覚になります。それでも、お正月のハッピーでほんわかしたOFFの雰囲気は、過ぎてしまうと恋しいものです…。
さて。
今回は、建築家 Steven Holl(スティーブン・ホール)についてご紹介したいと思います。
* Institute for Contemporary Art at VCU / Steven Holl Architects
* https://www.archdaily.com/893277/institute-for-contemporary-art-at-vcu-steven-holl-architects
世界を代表する巨匠建築家、Steven Holl(スティーブン・ホール)
スティーブン・ホールは、米国人建築家で、現在73歳。
安藤忠雄さんや伊東豊雄さんより少し年下ですが、世界的に「建築家」という職業が脚光を浴びた、所謂「建築黄金期のスター建築家」といえると思います。
建築家のキャリアのピークは、一般的に65歳〜75歳ですので、スティーブン・ホールは、今まさにキャリアのピークの真っ只中です。
世界を代表する巨匠建築家のひとりで、誰が選んでも、世界のトップ20人には必ず入るのではないかと思います。
自分もスティーブン・ホールの建築が大好きです。
作品集もたくさん持っていますし、現地に見に行った建築も数多くあります。
美しい水彩スケッチから生まれる、都会的で洗練された建築
スティーブン・ホールといえば、美しい水彩のスケッチを描くことで有名です。
彼の建築は、水彩のスケッチから、はじまります。
「建築家が、どのように一歩目のアイデアを生み出すのか?」については、本当に建築家によって異なり、千差万別と思いますが…
スティーブン・ホールの場合、水彩スケッチを描くことで、一歩目のアイデアを生み出している、ということですね。
スティーブン・ホールの描くスケッチブックの大きさは、はがきサイズくらいが基本で、小さめです。
自分も水彩スケッチをよく描きますが、はがきサイズは小さくて扱いにくいと感じるので…
きっとスティーブン・ホールは、日常的に持って歩いてどんどん描き溜めておき、目ぼしいものだけ後で描き直しているんだろうなあ…などと想像しています。笑
水彩のスケッチと、実際に建った建築をいくつか比較してみましょう。
とっても魅力的でおもしろいですし、スティーブン・ホールの天才ぶりがよくわかります。
模型やプランなどをつくりながら、試行錯誤して考えていくタイプの建築家ではなく、
最初の段階で、ほぼ空間イメージが完成しているタイプ(所謂「降ってくる」タイプ)の建築家ですね。
* Museum of Ocean and Surf / Steven Holl Architects
* Maggie's Centre Barts / Steven Holl Architects
* https://www.archdaily.com/885886/maggies-centre-barts-steven-holl-architects
自分が実際に見に行った彼の作品の中で、感動したのは、ヘルシンキの美術館 “Kiasma(キアズマ)” と、ボストンの“Simmons hall(シモンズ・ホール)” というMITの学生寮です。
* Kiasma Museum of Contemporary Art / Steven Holl Architects
* Simmons Hall at MIT/ Steven Holl Architects
* https://www.archdaily.com/65172/simmons-hall-at-mit-steven-holl
そして、まだ見に行けていないのですが…建築作品として一番好きなのは、先にご紹介したロンドンの Maggie's Centre Bartsです。
* Maggie's Centre Barts / Steven Holl Architects
* https://www.archdaily.com/885886/maggies-centre-barts-steven-holl-architects
“Maggie's Centre(マギーズ・センター)” とは、その名の通り、Maggieさんがオーナーの、がん患者さん向けの長期療養センターです。
世界各地に点在し、いずれも素晴らしい建築家たちが設計しています。
Maggie's Centre の設計者に選出されることは、建築家としての夢のひとつですね…。
Steven Holl(スティーブン・ホール)の紹介、いかがだったでしょうか?
日本は、建築や都市デザインについて、小中高の期間にきちんと学ばない稀有な国のひとつですので…
素晴らしい建築家の作品についても、みなさんあまりご存じないことが多く、もったいないなあ…と感じますので、今後もご紹介していければと思っています!
今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次の記事を読む ⇨