BRAND DESIGN | 「D2Cブランドって何?」と聞かれても答えられるようになる
Written by TAN
/ Architect, Creative Director, CEO
October 11, 2020
建築家の山之内淡です。
東京はいよいよ秋本番という趣です。自分は札幌出身なせいか、東京の季節のなかでは秋が一番好きです。洋服・食べ物・風景…秋は良いなあと思います。
今回の記事は「D2Cブランドって何?」ともし周りの人に聞かれたとしたら、「D2Cブランドってこういうものだよ!」と答えられるくらいまで、“D2C” について知っていきましょう、という内容です。
Takramの佐々木さん著の “D2C” という本がとても良くまとまっている良書ですので、本を一冊読めるくらいモチベーションのある方は、すぐに読まれることをおすすめします。
* 佐々木康裕, 2020, NewsPicksパブリッシング
今回の記事は、上記の本の内容を基にしつつ、そこに自分なりの知見などを載せ、短くコンパクトにまとめていきます。
それでは早速、はじめていきましょう。
D2C = “ブランディング” × “デジタル”
まず、「D2C」という言葉のニュアンスを、感覚的に理解していきましょう。
「D2C」=「Direct to Consumer」=「顧客と “直接” つながる」という意味です。
そして「D2C」のキーワードは、“ブランディング” と “デジタル” です。
『 D2C = “ブランディング” × “デジタル” 』とシンプルに捉えていただいて間違いありません。
“ブランディング” とは、「共感を生む世界観を創ること」です。
わかりやすく、魅力や素敵さや格好良さをデザインすること、と理解していただいて構いません。
少し難しい表現になりますが、数値などで直接測ることのできない「定性的な価値」を生み出すのが “ブランディング” です。
一方、ここでいう “デジタル” とは、「無駄を省いて合理化すること」を指します。
例えば、これまでの小売業では、つくり手 ⇨ 卸し ⇨ 店舗 ⇨ 広告 ⇨ 顧客 と、シンプルに捉えても商品がユーザーの手に渡るまで中間に様々な層が存在していました。
そこをデジタル化することによって、つくり手 ⇨ 顧客 と無駄を省いて合理化しましょう、という考え方が特徴です。
また同時に、デジタル化を行うことにより、これまで不透明だったデータの蓄積&見える化が可能になります。そうしたデータを上手く利活用していくことも、“D2C” における “デジタル” の特徴です。
デジタル化とデータの利活用によって「定量的な価値」を生み出す、といえます。
まとめますと。
『 D2C = “ブランディング” × “デジタル” 』である。
そして、『 “ブランディング” = 「定性的な価値」を生み出すこと 』であり、『 “デジタル” = 「定量的な価値」を生み出すこと 』になります。
つまり、“D2C” とは、数値などでは測れない価値と数字やデータで見える化できる価値を掛け合わせた業態、といえます。
そのような “D2C” の特徴をもったブランドを、“D2Cブランド” と呼びます。
世界的に注目されている “D2Cブランド” には、AWAYやallbirdsやCasperなどがあります。
私たちの Mr. & Ms. Cat も、D2Cブランドです。
世界観やコンセプトのデザイン、アートワークなどのビジュアル、コピーライティングなど、ブランディングに注力しています。
販売はEC特化で徹底的に無駄を省いていますし、ユーザーの皆さまとのコミュニケーションはInstagramに特化して運営しています。
一点だけ、私たちの Mr. & Ms. Cat が他のD2Cブランドと異なるポイントがあります。
それは、「Direct to “Consumer” Brand」ではなく、 「Direct to “Cat” Brand」と名乗っているところです。
Mr. & Ms. Cat の “ブランディング” も “デジタル” も、“Cat” を中心に発想しデザインしています、というメッセージを込めて「Direct to “Cat” Brand」としています。
日本ではまだ浸透しはじめたばかりの “D2Cブランド” ですが、世界的に最注目の業態で、その勢いは2017-18年頃から、日々加速の一途を辿っているように思います。
なぜそれほどまでに、 “D2Cブランド” は世界的に注目されるのでしょうか?
それにはいくつか明確な理由があります。
次回の記事では、 「 “D2Cブランド” が世界で注目される理由」についてお話していきたいと思っています。
AppleやTeslaは “D2Cブランド” といえるのか?など、更に踏み込んだ内容にも触れつつお話していくつもりです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回をお楽しみにお待ちください。
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